常設展示:錦木

錦木 にしきぎ


 


錦木 とは、江戸末期から明治にかけて、当時の文人、画人が嵐牛との交友の証として記した寄せ書き帳のことで、現代の色紙にあたります。 この文人墨客の寄せ書き帳はまた、当時の東海道を大勢の人々が往来した証でもあります。全体で117人の俳句、絵、その他で構成されており、当時の俳人の多くは絵も書いていたと思われます。これらを見ると、嵐牛が画人との付き合いも深かったという事を推察する事が出来ます。

短冊(和歌・俳句などを書き記すための縦長の料紙)は、一般的に挿絵の入った物が少ないのですが、嵐牛の俳句には挿絵入り(挿絵師 春隆)の短冊が多く見られそれが特徴となっています。 錦木の内容は卓池および卓池の門人・嵐牛の門人・村松以弘・喜多武清をはじめ谷文晁の門人、成瀬大城などの書などですが、今回は下記をご紹介したいと思います。

なお名倉竹里は、芭蕉が初期の頃盛んに提唱していた作風『風雅』という言葉を使っていますが、その他については不明の部分が多く竹里について何かご存知の方に情報を頂ければと思っております。 また、挿絵師 春隆 についても不明の点が多く、同様に情報をお待ちしております。


 

①  村松以弘       当時の掛川藩のお抱え絵師

②  名倉竹里       鶴田卓池の門人の俳句

③  成田蒼虬       俳句

④  師匠 鶴田卓池    俳句

⑤  師匠 鶴田卓池    山水画

⑥  成瀬大域        書

⑦  喜多武清        絵

 


参考迄  錦木

   

ニシキギ科の落葉低木。高さ約1.5メートル。枝に四列のコルク質の翼(よく)がある。

(1)葉は楕円形。

初夏、淡緑色四弁の小花をつける。紅葉が美しいので庭木ともされる。晩秋、果実が熟して割れ、赤い皮のある種子を現す。[季]秋。〔「錦木の花」は [季]夏〕

(2)五色に彩った30センチメートルほどの長さの木。男が恋する女の家の戸口に夜ごとに一本ずつ立ててゆき、女は同意するときこれを中にしまう。染め木。

この錦木の写真は  季節の花 300 より転載させて頂きました。