成瀬大域・喜多武清

成瀬大域 なるせ たいいき(1827~1902)


幕末明治期の書家。名は温。字は子直。号は大域、桂斎など。遠江(静岡県)小笠郡日坂出身。上京し安井息軒に経学を学びつつ書学に励む。明治8年(1875)宮内省に奉職。12年勅命により「集王聖教序」の臨書を献上。皇室より古硯を賜う。これにより東京下谷根岸の居を賜硯堂と称した。

 

 

 


喜多武清  きたぶせい(1776-1857)


安永5年生まれ。江戸の人。谷文晁(ぶんちょう)にまなび花鳥画・人物画を得意とする。読み本の挿絵・美人画などもえがき古画の鑑定・模写もおこなった。作品に山東京伝の「優曇華(うどんげ)物語」の挿絵、画集に「扇面画譜」など。安政3年12月20日死去。81歳。字(あざな)は子慎。通称は栄之助。別号に可庵、五清堂